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日々の音楽活動について。
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当協会副会長であり、作曲活動と並行し北海道の音楽評論をおこなっています八木幸三氏が、作曲家協会の活動などについて、日本演奏連盟刊行の「演奏年鑑2009」に執筆くださいました。

『音楽界展望(北海道)』2008年についてからの抜粋。

作曲の分野では、昨年秋に発足した北海道作曲家協会が、9月に発足記念演奏会を二夜にわたり開催した。
北海道に関連する30名以上の作曲家が結束し、組織的な活動をおこなうことは、道内音楽界にとっては画期的なこと。発足記念演奏会では、10名の会員による個性溢れる作品とファーニホウやヴィヴィエなど道内では、あまり紹介されない作曲家の作品が並べられた。
また、演奏も道内で活躍する演奏家ばかりではなく多久潤一朗、辺見康孝といった現代音楽の第一線で活躍する奏者が参加したことにも大きな意義があった。

釧路では、石丸基司(同協会理事)を中心とする「アールクシリアン」が〈くしろ作曲家コレクション〉と題し意欲的な新作発表を毎年継続しており、さらに10月には、同協会会員の向山千晴がミュージック・コンクレートのみによる演奏会を道内ではじめて開催。北翔大学、札幌大谷大学の学生作品も含め、これまでにない新しい潮流が感じられた。

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日本演奏連盟 編纂 「演奏年鑑2009」

『音楽界展望(北海道)』(2008年について)  八木幸三

今年の札幌交響楽団は、二つの大きな出来事があった。まず、チェコの巨匠ラドミル・エリシュカが首席客演指揮者に就任。4月定期では、その就任記念演奏会として得意のドヴォルジャーク/交響曲第6番を大らかで叙情的な旋律で聴かせ、エリシュカならではの豊饒な響きをつくり上げた。
もうひとつは、音楽監督尾高忠明が念願の歌劇を9月定期に演奏会形式でおこなったこと。英国BBCウエルズ響の桂冠指揮者も務める尾高は、これまでエルガーなど英国作品を多く紹介してきた。今回は、ブリテンの《ピーター・グライムス》を取り上げ、長期の準備期間や副指揮者新通英洋による事前レクチャー、さらに公演期間中の記者会見をおこなうなど、尾高のこの作品にかける熱意が感じられ、当日の演奏も札響の歴史に残る名演となった。
他の定期では、10月にエリシュカ同様、チェコの名匠として知られるマルティン・トゥルノフスキーが、ブラームス/交響曲第4番を粘着力のある堂々としたテンポ感で熱演。彼の骨太で強靱な音楽性が絶対的存在感をもってオケを牽引した。同夜は、ドイツの新鋭チェリスト、ヨハネス・モーザもシューマンのチェロ協奏曲でロマンティシズムな楽想を深い息づかいで大らかに歌い上げ深い感銘を与えた。
12月定期では、舘野泉を迎えてのラヴェル特集。舘野が《左手のためのピアノ協奏曲》を躍動感と精神の浄化をもたらすほどの耽美なピアニズムで聴かせた。年間4回の名曲シリーズは、テーマに基づく曲目でいつも満席の盛況ぶり。今年度は、地域に焦点をあて洒脱なプログラムが組まれ、ロシア、ドイツ、南ヨーロッパから名作がバランス良く並べられた。

19回目を迎えたパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)は、首席指揮者にファビオ・ルイジ、客演指揮者に準・メルクルと尾高忠明、芸術主幹には、PMFの顔ともいえる ペーター・シュミードルといった布陣。
今年の専属作曲家細川俊夫《雲と光》で幕をあけたPMFオーケストラ(PMFO)の初陣は、メシアン《トゥーランガリア交響曲》とともに現代作品における管弦楽の色彩感をたっぷりと聴かせた。この演奏会では、準・メルクルが各楽章の個性を明晰に表現。さらにピエール=R・エマールの熾烈なピアニズムと道内ではめったに聴けない原田節のオンド・マルトルの音色が強い印象を残した。
PMF提唱者、レナード・バーンスタインの生誕90年を記念するガラ・コンサートは、彼のミュージカル、交響曲さらにはビックバンド編成を含めた室内楽などバーンスタインの多様な音楽語法とその芸術性をあらためて感じさせた。特に小曽根真をピアノ独奏に迎えての交響曲《不安の時代》は、尾高忠明が、札響団員も含めたPMFOを劇的にドライブさせた。
再来年より芸術監督就任が発表されたファビオ・ルイジ指揮によるPMFOは、R・シュトラウス/交響詩《ドン・キホーテ》とベルリオーズ《幻想交響曲》で研鑽の成果を集大成させた。また、「パシフィック・サウンディング」では、自国インドの音楽語法が洒脱に表出された作曲コースのアカデミー生をはじめ、女性作曲家の活躍が際立った。細川が言うように、世界がグローバル化するなかで、独自な歴史と文化を持つアジアの作曲家が西洋音楽の影響を受けつつも個性的な芸術音楽を生みだそうとする指針がうかがえた。

札幌市は、旧市民会館の後続施設として4面舞台を持つ本格的なオペラ劇場建設の構想を打ち出した。これが実現するかどうかは別として、今年のオペラ公演は、札幌コンサートホール(Kitara)での公演が目立った。まず、北海道二期会がホール・オペラとして《カルメン》を上演。前出の札響《ピーター・グライズム》そして、ウィーン・バーデン市立劇場も《リゴレット》をキタラ上演した。キャパ数や経費そして音響面で、キタラは確かに適してはいるが、総合芸術としてのオペラの魅力を伝えるには、やはり本格的な舞台を見たいという要求も多いはず。
そうした中で、ラ・コンパニーア アルモーニカが8月に上演した《蝶々夫人》は札幌市教育文化会館大ホールで、本格的なセットや衣裳そしてフル編成の管弦楽により、星出豊の正攻法な演出が典雅な舞台をつくり上げた。小舞台でのオペラでも、主催団体の特徴が生きた公演が多かった。
まず、1月に発足した日本オペラ集団が、《セロ弾きのゴーシュ》をオリジナル脚本・曲で公演。豊麗な歌唱とチェロ演奏を聴かせたゴーシュ役の清水邦典が、この作品にかける思いを十分に伝えた。
3回目を迎えた札幌オペラ祭は、北海道二期会が《ヘンゼルとグレーテル》、札幌室内歌劇場がオリジナルのコラージュ作品《愛情講話歌劇場~うたってわらってこいのおさらい》、札幌オペラスタジオが、《フィガロの結婚》を特色ある公演でおこなった。

作曲の分野では、昨年秋に発足した北海道作曲家協会が、9月に発足記念演奏会を二夜にわたり開催した。北海道に関連する30名以上の作曲家が結束し、組織的な活動をおこなうことは、道内音楽界にとっては画期的なこと。
発足記念演奏会では、10名の会員による個性溢れる作品とファーニホウやヴィヴィエなど道内では、あまり紹介されない作曲家の作品が並べられた。
また、演奏も道内で活躍する演奏家ばかりではなく多久潤一朗、辺見康孝といった現代音楽の第一線で活躍する奏者が参加したことにも大きな意義があった。

釧路では、石丸基司(同協会理事)を中心とする「アールクシリアン」が〈くしろ作曲家コレクション〉と題し意欲的な新作発表を毎年継続しており、
さらに10月には、同協会会員の向山千晴がミュージック・コンクレートのみによる演奏会を道内ではじめて開催。北翔大学、札幌大谷大学の学生作品も含め、これまでにない新しい潮流が感じられた。

今年2回おこなわれた「演連コンサートSAPPORO」は、いずれもソプラノ歌手によるリサイタル。
板垣恵が山田耕筰の歌曲を日本語の透徹した美しさで伝え、笹尾雅代が「宗教音楽と世俗音楽」をテーマにバロック初期の作品を厚い中・低音域の響きとまろやかな声質でじっくりと聴かせた。また、直線的な声質を持つ亀谷泰子が、モーツァルトのアリアなどでピッコロのような煌びやかなコロラトゥーラを熱唱した。
道内を拠点とする音楽季刊誌「ゴーシュ」が札幌時計台ホールで音楽会を開催。札響コンマス大平まゆみやチェリストの荒木均、そしてピアニスト谷本聡子など道内一級の演奏家と尾高忠明、遵子夫妻によるピアノ連弾も加わり、残雪が消えた4月の札幌に優雅な音色が奏でられた。
池辺晋一郎と医師のかたわら精力的に演奏活動を展開する札幌在住のピアニスト上杉春雄による〈ベートーヴェンのカラクリ〉と題したユニークな演奏会は、軽妙な話術と高品位な演奏で作品に内在する精髄を見事に伝えた。
道内の若手音楽家を育成し続けている北海道国際音楽交流協会(ハイメス)が、創立20周年を記念したコンサートを8月に開いた。同協会コンクール初期の優勝者堀内康雄や立野至美が、情感溢れる歌唱でイタリアオペラを熱演するなど同協会の成果があらためて垣間見られた。

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